中国の大手インターネット＆#12539;セキュリティ企業Qihoo 360 Technology（以下、Qihoo 360社という）は8月14日、北京朝陽区知識産権快速維権センターより発行されたグラフィカルユーザーインターフェース（以下、GUIという）の意匠特許証書を取得した。これは、中国国内では早期審査請求によって発行された初のGUIの意匠特許証書で、業界の関係者は、これを皮切りに中国におけるGUIの意匠権による保護が本格的に始まることを予測している。　

GUIは、ヒューマンコンピュータインタラクションに関するユーザーインターフェースで、インターネットのユーザーに最も便利な入口であり、ユーザーが製品を識別する方法の一つでもある。アメリカでは、よく見られるアップルのスライド式ロック解除のインターフェース及びサムソンのページめくり機能のインターフェースなどは、GUIの意匠特許によって保護を求めることができる。

しかし、以前中国国内には、GUIを含む製品に対する保護措置がないため、製品のGUI設計が盗作されたり、模倣されたり、または同類製品のGUI設計が類似することがよくあり、インターネット企業の技術イノベーションにも多大なる影響を及ぼしていた。
　　
関連企業がGUI設計にますます力を入れるようになると共に、GUIを含む製品を意匠特許によって保護してほしいという声が高まってきた。中国特許庁も社会ニーズに応じて、今年5月1日より「特許審査指南」を改正し、GUIを意匠権の付与対象として認めるようになった。それに伴い、中国のインターネット関連企業におけるGUIを含む製品を意匠出願する動きが加速しはじめた。

そこで、北京朝陽区知識産権快速維権センターは、サービス業の発展趨勢に応じて、7月30日より朝陽区内の企業のために、意匠の早期審査業務を開始し、8月14日には前述のように、Qihoo360社が、同センターより初のGUIの意匠特許証書を取得した。今回のQihoo360社の「GUIを含む携帯電話」意匠特許は、出願から権利付与までわずか10日（業務日）と、今年5月1日より「特許審査指南」改正によりGUIを含む製品の意匠を保護対象にされてから、早期審査請求による第一号の権利付与であった。　　

中国において知財保護に力を入れている代表的な企業であるQihoo360は、すでにGUIを含む製品の意匠出願を140件以上提出し、特許出願件数も合計3000件を突破し、インターネットセキュリティ関連分野では中国国内で特許出願件数が堂々の1位である。
　　
特に、GUI分野において、Qihoo360社は傘下のセキュリティガード、360アンチ＆#12539;ウイルス、および360モバイルセーフ、検索エンジン、スマートハードウェアなどのシリーズ製品では、ユーザーの使用機能の向上を目指し、製品デザインなどに力をいれるとともに、GUIの意匠による権利保護を求めている。今回のGUIの意匠登録は、GUIを含む製品に知的財産権による全面的な保護を与え始まりとなった。

日付：2014年8月20日                  情報ソース：中国新聞網

なお、CNIPR(中外専利データベース服務平台)によると、SIPOは2014年8月13日にGUIを含む製品の意匠権4件を付与したとのことである（出願日はいずれも2014年5月1日で、意匠出願名称は「GUIを含む携帯電話」と「GUIを含むテレビ」である）。

詳細は下記の通り：

①出願人：北京奇芸世紀科技有限公司

出願番号：CN201430114512.1

公開番号：CN302909795S

②出願人：可牛網絡技術有限公司

出願番号：CN201430114516.X
　
公開番号：CN302909796S

③出願人：北京奇芸世紀科技有限公司

出願番号：CN201430114757.4
 
公開番号：CN302909798S

④出願人：北京金山網絡科技有限公司

出願番号： CN201430114552.6

公開番号： CN302909797S

情報ソース：CNIPR(中外専利データベース服務平台)