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中国国家知識産権局による2019年の知財統計データ


1月14日、中国国家知識産権局は2020年初回の恒例記者会見を開いた。記者会見において、特許、商標、地理的表示、集積回路の回路配置に関する2019年の年間統計データは発表され、データの背後にある新特徴と新傾向は分析された。
 
一、主な統計データ:
2019年、中国の主な知的財産権指標は全体的に安定しており、且つ安定傾向の中で増加しつつある。知的財産権の品質と収益も持続的な成長を遂げている。
 
(一)特許
2019年、中国の発明特許出願件数は140.1万件であり、登録件数は45.3万件であった。そのうち、国内からの発明特許の登録件数は36.1万件、その中の職務発明は34.4万件で95.4%を占めている。そして、2019年の国内発明特許登録件数の企業別ランキングトップ3(香港、マカオ、台湾を除く)は華為技術有限公司(4510件)、中国石油化工股份有限公司(2883件)、OPPO広東移動通信有限公司(2614件)である。
 
2019年年末までに、中国国内(香港・マカオ・台湾を除く)の発明特許保有件数は合計186.2万件で、人口1万人あたりの発明特許保有件数は13.3件に至り、政府が定めた「第13次5ヵ年計画」(2016〜2020年)の目標を前倒しで達成した。人口1万人当たりの発明特許保有件数の省別ランキングトップ3は北京市(132.0件)、上海市(53.5件)、江蘇省(30.2件)である。
 
2019年、当局が受理したPCT国際出願件数は6.1万件であり、前年同期比10.4%増加した。そのうち、国内出願人による出願件数は5.7万件であり、前年同期比9.4%増となった。中国におけるPCT国際出願の受理件数の省別ランキングトップ3は広東省(2.47万件)、北京市(0.72万件)、江蘇省(0.66万件)である。
 
2019年、当局の結審した発明特許は102.3万件、実用新案はは198.1万件、意匠は74.4万件であった。高価値発明特許の審査期間が17.3カ月に短縮され、特許審査の品質に対するユーザーの満足度指数は84.8点であり、満足を維持した。不服審判の請求件数は5.5万件で終結した件数は3.7万件であり、無効審判の請求件数は0.6万件で終結した件数は0.5万件であった。
 
(二)商標
2019年、中国の商標出願件数は783.7万件であり、登録件数は640.6万件であった。そのうち、国内商標登録件数は617.8万件であった。2019年年末までに、中国有効商標の登録件数は前年同期比28.9%増の2521.9万件で、市場主体4.9社につき1登録商標を保有している。2019年、当局は中国出願人によるマドリード国際出願を6491件受理した。昨年末時点の中国出願人によるマドリード国際出願の商標登録有効件数は3.8万件であった。
 
2019年、商標審査完了件数は825.3万件であり、商標登録の平均審査期間は4.5カ月に短縮され、国務院が定めた年度目標任務を上回って達成した。商標異議申立件数は14.4万件であり、9.0万件終結した。各種類の商標審査案件を36.1万件受理し、33.7万件結審した。
 
(三)地理的表示
2019年、当局が統一の地理的表示の専用マークを公布した。地理的表示産品は5産品が登録され、地理的表示の商標登録件数は462件に達して、地理的表示産品の専用マークの使用を許可された企業は301社であった。2019年年末までに、地理的表示産品は累計2385個あり、地理的表示の商標登録件数は累計5324件であり、地理的表示産品の専用マークの使用を許可された企業は累計8484社であった。
 
(四)集積回路の回路配置
2019年、集積回路の回路配置の出願件数は8319件であり、前年同期比87.7%増であった。登録件数は6614件であり、前年同期比73.4%増となった。
 
(五)そのほか
2019年、中国の受理した特許権侵害紛争行政裁決案件は3.9万件であり、前年同期比13.7%増であった。集積回路の回路配置の権利侵害案件を2件受理した。2019年、知的財産権使用料の輸出(受取)・輸入(支払)総額は370億米ドルを超えた。特許、商標の質権設定融資総額は1515億元に達し、前年同期比23.8%増加した。そのうち、特許の質権設定融資額は1105億元に達し、前年同期比24.8%増であり、質権設定融資項目数は7060件で、同期比30.5%増であった。
 
二、主な特徴
上記統計データは主に下記3つの特徴がある:
 
(一)知的財産権の保護能力は向上しつつある。2019年、中国の発明特許登録件数は45.3万件であり、前年同期比4.8%増であり、商標登録件数は前年同期比27.9%増であった。高価値特許の審査期間も商標登録の平均審査期間も短縮されている。これらの統計データから分かるように、知的財産権の保護措置は著しい成果を収め、知的財産権をより多く、より迅速に保護できるようになっている。
 
(二)知的財産権に関する政策は市場の需要により適切に展開されている。最新データによると、中国における一定規模以上の工業企業の中、特許出願を保有している企業は22.3%を占めている。2019年、企業による国内発明特許出願は全体の65.0%を占め、前年比0.6%増であった。市場主体の平均有効商標保有件数が安定的に増加している。上記からみれば、知的財産権は市場により適切にされ、知的財産権の政策は市場主体の活力とイノベーションの原動力を効果的に引き出していることが分かる。
 
(三)知的財産権の保護はより高いレベルの対外開放を力強く支持している。2019年、外国出願人による中国への発明特許の出願件数は15.7万件に達し、前年比6.0%増であった。外国出願人による商標出願件数は25.5万件に至り、前年比4.7%増加した。外国出願人による特許と商標の出願件数が持続的に増加したことから、外国企業の対中投資の自信と中国の商業活力のあることが分かる。
 
日時:2019年1月14日
出所:国家知識産権局

ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
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