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ポイント:構成要件が複雑である先行技術の構造を簡潔化にさせる特許について、複数の相違点による効果を考慮する際に、各構成要件...
コロナ時代における中国知的財産権事業のあり方


北京林達劉知識産権代理事務所
 
過ぎ去った2020年は中国にとっても世界にとっても平凡ではない一年でした。2020年初頭に新型コロナウイルスの感染爆発後の武漢ロックダウンから、中国のコロナ対策は、最初の無防備の状態から、少しずつ経験と教訓を汲み取り国民全員がコロナと戦うものとなっている。昨年年末、北京、河北と東北地域で新たな感染が発生し、中国は経済成長とコロナ対策の両立を図りながら、慎重に対応している。近日、中国上海の有名な医療専門家張文宏氏から、上海のコロナ対策はまるで「陶磁器の店でネズミを捕まえるようだ。ネズミを捕まえなければならないが、陶器を割ってはいけない」と生き生きと喩えた。この喩えは、まさに中国のコロナ対策の現状である。
 
全国のたゆまぬ努力のもとで、中国の経済発展はよい成績を収めた。中国国家統計局が今月18日に発表したデータによると、初歩的な計算では、中国去年の国内総生産(GDP)は1,015,986億元で、前年と比べプラス2.3%増であった。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が大きな影響を受けたが、中国は主要な国の中で、唯一、プラス成長を実現したとみられている。四半期ごとに見ると、第1四半期は前年同期比6.8%減少したが、第2四半期、第3四半期、第4四半期はそれぞれ同3.2%増、4.9%増、6.5%増で回復が続いていた。
 
さらに、国連貿易開発会議(UNCTAD)が24日に公表した報告書によると、2020年の海外直接投資(FDI)は、新型コロナウイルス危機から中国経済がいち早く回復する中、対中国FDIは最大となった1,630億ドルで、昨年の1,400億ドルから増加した。
 
よりよいビジネス環境を作り、経済の質の高い持続的な発展を促進するため、去る2020年には、中国の知財事業は権利化、権利行使及び法律制度の整備において飛躍的に進歩を遂げ、顕著な成果を上げている。
 
1. 中国知的財産権出願状況
 
中国国家知識産権局(以下「CNIPA」という)が1月22日に北京で発表した2020年の関連データによると、
 
特許に関して
 
2020年、中国の発明特許登録件数は53.0万件であり、2020年年末までに、中国国内(香港・マカオ・台湾を除く)
の有効発明特許件数は221.3万件に達している。
 
2020年、CNIPA が受理したPCT国際出願件数は7.2万件であり、そのうち、国内出願人よる出願件数は6.7万件であった。
 
2020年、中国実用新案の登録件数は237.7万件であり、意匠の登録件数は73.2万件であった。
 
特許の不服審判結審件数は前年同期比28.9%増の4.8万件で、無効審判の結審件数は前年同期比34.1%増の0.7万件であった。
 
商標に関して
 
2020年、中国の商標登録件数は576.1万件で、国内出願人によるマドプロ出願は7553件であった。
 
2020年、商標異議申立案件を14.9万件審理完了し、前年同期比64.7%増であった。各種類の商標審判案件を35.8万件審理完了し、同期比7.8%増であった。
 
地理的表示に関して
 
2020年、受理された地理的表示製品の保護申請は10件で、承認された地理的表示製品は6件であった。地理的表示製品の専用マークの使用を許可された企業は1052社で、承認された地理的表示の商標登録件数は765件であった。
 
集積回路設計に関して
 
2020年、中国集積回路配置設計の登記申請は前年同期比72.8%増の14,375件で、登記件数は同77.3%増の11,727件であった。
 
知的財産権の保護と運用に関して
 
2020年、全国知的財産権システムは特許侵害紛争行政裁決案件を4.2万件以上処理した。
 
2020年、高価値特許と発明特許の平均審査期間はそれぞれ14ヶ月、20ヶ月に短縮され、商標登録出願の平均審査期間は4ヶ月に短縮された。
 
2020年、中国の特許、商標の質権設定プロジェクトは12,039件に達し、前年同期比43.8%増加した。総額は2,180億元に達し、同43.9%増加した。
 
2. 知的財産関連法律の改正と整備
 
中国は、2019年に『中華人民共和国商標法』と『中華人民共和国不正競争防止法』が相次いで改正し実施された後、2020年には、更に『中華人民共和国特許法』及び『中華人民共和国著作権法』の改正を完成した。
 
中国現行の『特許法』が1985年に施行され、1992年、2000年、2008年に3回の改正が行われた後、第4回の改正は、中米貿易摩擦の影響を含め、国内外のさまざまな要因に影響を受け、10年以上にわたってようやく2020年10月17日に開催された全人代常務委員会で可決され、2021年6月1日から施行するとなる。
 
また、第4回の特許法改正には、主に特許権者の合法的権益の保護強化、特許の実施と運用の促進、特許権の権利付与制度の調整という3つの内容が含まれている。
 
● 悪意の権利侵害に対して、1~5倍の懲罰的賠償を適用し、法定賠償額の下限を1万元から3万元に引き上げ、上限を100万元から500万元に引き上げる。
 
● 意匠権の存続期間を15年に延長し、部分意匠が意匠権の保護範囲に含まれるようになる。
 
● 医薬品の特許紛争早期解決体制(アメリカのパテントリンケージ制度に類似する)を設けることによって、創新薬の特許権者が医薬品の審査段階で権利侵害品の市場への流入を阻止できるようになる。
 
● 特許の権利化段階における不合理な遅延に対する特許存続期間補償制度と新薬の販売承認審査にかかった時間に対する特許存続期間補償制度を設ける。
 
そして、今回の改正は、知的財産権の実施と運用を促進する国の方針を十分に体現し、職務発明、奨励及び報酬、開放的許諾制度などについて制度設計を行うことになる。
 
2020年11月末、CNIPAは『特許法実施細則改正意見(意見募集稿)』を公布し、一般向け意見募集を行った。当該意見募集稿には、特許法改正に関わる存続期間の補償制度関連条項、部分意匠及び意匠の国内優先権関連条項、開放的許諾関連条項、行政保護関連条項を改正した。そして、実務の需要に応じて、PCT条約につなぐ条項、審査品質・効率向上に関連する条項、管理・サービスに関連する条項、審査手続きの向上に関連する条項、ハーグ協議へ加盟するための意匠制度関連条項について改正した。
 
『著作権法』の改正は、時代の発展とコンテンツ伝播技術の発展の必要に応じて、保護客体、権利内容、権利帰属、権利制限と法律責任などの面で多くの修正を行い、著作権の保護に更に力を入れている。
 
立法レベルでの法改正に加え、最高裁判所は2020年に多くの司法解釈を発表し、地方各級裁判所の具体的な事件審理において、法律の正確な適用と一貫性を確保するための指導を提供した。
 
例えば、2020年11月16日、最高裁判所は「知的財産権に係る民事訴訟の証拠に関する最高裁判所の若干の規定」を公布し、同規定は2020年11月18日より施行された。同規定は全33条からなり、証拠提出、証拠妨害、証拠保全と司法鑑定、証拠調べと認定、損害賠償などの重要制度をさらに充実させ、権利者の立証負担を適切に軽減し、知的財産権訴訟における「立証が難しい」、「権利保護コストが高い」などの問題を確実に解決し、知的財産権司法保護の強化に積極的な意義を有すると思われる。
 
それに、中国の知財関連法律の整備は、知財事業の発展のために法治の基礎を築いた。法律法規の制定と整備の過程において、全国人民代表大会及び常務委員会、国務院と国家知識産権局は広範に関連企業と社会団体の意見を募集して、社会各界と革新主体の声に耳を傾けた。日本企業も積極的に各種の意見募集に参加し、中国の知的財産権法律制度の整備のために貴重な意見を寄せた。

3.知的財産権の保護強化状況
 
司法保護について、2019年に中国最高裁判所は知的財産法廷を設立し、全国範囲内の技術類知的財産権上訴案件を統一的に審理し、2年間の実践を経て、このような裁判モデルの革新は全国関連裁判所の知的財産権審理レベルの向上に大きな役割を果たし、社会の関心に徐々に応えてきた。また、全国知的財産裁判所の建設も着実に進められ、地域を跨ぐ管轄裁判体系が引き続き最適化されている。
 
2020年の統計データはまだ公表されていないが、北京市裁判所のデータから見れば、北京市の高等、中等、基礎の三級の裁判所は合わせて各種類の知的財産権民事、行政事件を66,710件受理し、そのうち、知的財産権民事事件は42,330件で、行政案件は24,380件であった。各種類の知的財産権事件を66,973件審理終了し、そのうち、民事事件は42,983件で、行政事件は23,990件であった。
 
北京市裁判所の知的財産権侵害事件の判決の平均賠償額は、これまでの5年間に比べて明らかに上昇し、そのうち、商標事件の平均賠償額は2015年の118,526元から2020年の417,823元に、特許事件は428,056元から619,078元に引きあがってきた。著作権事件は25,443元から39,645元に、不正競争事件は434,624元から846,845元に増加した。例えば、北京市高等裁判所は、炎黄盈動公司が亜馬遜通公司などを訴えていた商標権侵害事件において、懲罰的賠償を適用できると判断し、7,646万元の経済損失の賠償を命じる判決を言い渡した。
 
 新型コロナウイルスの影響で、多くの訴訟がオフラインで審理できなくなり、各地の裁判所には「オンライン+オフライン」の知能化裁判が導入され、「移動微裁判所」「雲法廷」などを通じてオンラインの立案、送達、開廷が行われ、知的財産権裁判と現代科学技術の融合が強化されている。そして、大量の訴訟事件に対応するため、裁判所は「速い+遅い」の繁簡分流メカニズム(簡単な案件を速く審査し、難しい案件を精査する)を構築しており、裁判効率の向上につながる。
 
2020年11月30日、習近平国家主席は、中央政治局の初めての知的財産権をテーマにした学習会で、「知的財産権の保護は国家ガバナンスシステムと国政運営能力の現代化や質の高い発展、国民の幸せな生活に関わり、対外開放と国家安全にもつながっている」と強調したうえ、「国家戦略の見地から、新しい発展段階の実情を踏まえて、知的財産権保護の取り組みを全面的に強化し、現代的な経済システムの構築を促進し、社会全体におけるイノベーションの活力を引き出し、新たな発展構造の構築を推進していくように」と呼び掛けていた。知的財産権の保護強化は、すでに国家ガバナンスシステムの上位レベルに上がり、中国の革新的な発展においてますます重要な役割を果たすことが予想される。
 
総じていえば、中国の知的財産権事業は中国の経済と同じように、歴史的な変革の時期に直面しており、中国の知的財産権は量から質へ、出願から活用へと転換点を迎えていくであろう。
 
 


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