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五大特許庁長官会合よりの「五大特許庁協力合意」


第8回五大特許庁長官会合が2015年5月22日、中国蘇州で開催された。本会合において五大特許庁長官は、今後の五大特許庁協力の目標、五大特許庁のユーザー及び公衆に対して、より良いサービスを提供する構想について再確認した。

①会合における共通認識

本会合において、五大特許庁(以下、五庁という)は以下の共通認識に達した。

経済のグローバル化の進展にともない、知的財産権は、科学技術イノベーションの推進及び経済成長の促進に対して、非常に重要な役割を果たすようになっている。

五庁は今後も、ユーザー及び公衆に優良なサービスを提供するために引き続き努力し、知的財産を有効活用することでイノベーションのさらなる創出を推し進める。

五庁の協力による成果は、5ヶ国及び地域のユーザーや公衆に大いなる便宜を与えているとともに、現在の五庁協力におけるユーザーの参与も非常に有益である。

五庁の協力関係をより一層強化させることは、ユーザー及び公衆により良いサービスを提供するための礎であるといえる。

このような共通認識に基づき、五庁は以下のような合意に達した。

②本会合における合意事項

五庁は、ユーザー及び公衆により良いサービスを提供するために努力し、知的財産権を強化することでイノベーションのより一層の創出を推し進め、経済・社会の発展を促進する役割を果たすことを目指す。

【これまでにすでに提供しているサービス】
五庁協力は2007年に開始され、その後2012年には5ヶ国及び地域の産業界が五庁協力に参与するようになり、五庁はすでに、ユーザーや公衆にさまざまな便宜を提供している。具体的には以下とおりである。

同一出願様式―出願人は1種類の統一の標準書式の出願書類を準備すれば、五庁のいずれにも受理される。

相互機械翻訳--中国語、日本語、韓国語などの言語と英語との相互翻訳を提供し、ユーザーが特許情報を理解する際の言語障害を払拭した。

共通文献データベース―ユーザーはタイムリーに、それぞれの庁を通して、五庁保有の特許文献データベースにアクセスでき、最新の五庁の特許引用文献を取得できる。

五庁PPH ―五庁の中のいずれかの特許庁によって特許可能と判断された出願について、出願人は他の四庁に早期審査を請求できる。

特許情報政策--公衆及び第三者は、無償若しくは低コストで五庁間の特許情報データを取得できる。

優先権書類の電子的交換--出願人は第2国出願する特許庁に対して、優先権書類の謄本を提出する必要がない。

グローバル案件書類データ交換の柱:共通のインタフェースより案件書類情報へのアクセス(OPD)―ユーザーがワンストップ及び安全な方法で五庁における特許及びファミリー出願の情報を取得できる。

現有分類システムを整備し、審査官、出願人及びほかの利害関連者が簡単に先行技術書類を取得できる。

五庁の公式ウェブサイト(www.fiveoffices.org)―公衆が五庁の協力の全体的な情報と進展をタイムリーを把握できる。

【現在重点的な目標】
サービスレベルをより一層向上させるために、五庁長官は現在次のような業務を重点的に行っている。

最適化のインターネット環境における特許情報サービス

ユーザーのニーズに基づくグローバル案件書類に係る業務における成果達成を目指し、ユーザー及び社会公衆が特許情報の取得における障害を無くし、奥深い利用を促進する。

引き続き、特許制度調和専門家パネル会議(PHEP)の枠組の業務を推進する。

特許出願フローの効率を向上し、コストを下げるために、「発明の単一性」、「先行技術の引用」、「明細書の作成」及び「実施可能要件」などの特許調和が求められている議題についての研究及び協力を一層推進する。

五庁PPHユーザーの利便性向上のための協力強化

ユーザーの五庁PPH利用における効率を高め、運用を簡略化するために、共通のPPH申請書類を採用するなどの措置によって、五庁PPHをより最適化する。

ユーザーサポートサービスの強化

各特許庁が有効に知的財産権制度を運用できるように、各特許庁の使用可能資源を利用し、中小企業、大学、個人などのユーザーをサポートするサービスを提供する。

五庁間協力の透明度の向上

ユーザーが五庁の業務進展について全面的、明確に認識できるように、五庁公式サイトにおける五庁間の協力業務情報の取得に便宜を図り、五庁の統計データを引き続き提供する。

【五庁間において今後達成すべき協力業務】
五大特許庁長官は、各特許庁の現有資源を十分に利用し、ユーザー及び社会公衆に有利な実質的な成果を達成するために、共に協力してより一層のサービスを提供することを目指す。

五庁の計画:

五大特許庁間のワークシェアリングの強化

ワークシェアリング強化のためにインフラを整備し、ワークシェアリングにかかるプロジェクトを推進し実質的成果を挙げ、業務効率を向上さえる。

協力による審査の品質向上

五庁の品質管理会議を継続的に開催し、分類、調査、審査などにおける協力を強化することで、特許審査の品質を高め、最終的に特許権の安定を促す。

五庁間のPCTにおける協力の強化

五庁のPCT制度における交流と協力を強化し、PCT出願検索の及び審査品質の強化に重点をおき、ユーザー及び社会公衆のために特許の法的安定性を高める。 

五庁間でのの経験の共有

五庁のユーザーサービスについての経験の共有を強化する。たとえば、出願人に対するサポートサービス、知的財産権意識宣伝などを強化し、適切な相関サービス及び最適な実務をユーザーに勧める。

日時:2015年5月22日
情報ソース:中国国家知識産権局


ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
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