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「特許優先審査管理方法」(2017)(第76号)


国家知識産権局令
第76号
  
「特許優先審査管理方法」は局務会議の審議を経て可決され、ここに公布し、2017年8月1日から実施する。


局長 申 長雨
2017年6月27日


特許優先審査管理方法

第1条 産業構造の最適化・レベルアップを促進し、国家知的財産戦略の実施と知的財産強国の建設を推進し、革新駆動型発展に資し、特許審査のプロセスを完備化するため、「中華人民共和国特許法」及び「中華人民共和国特許法実施細則」(以下は「特許法実施細則」という)の関係規定に基づき、本方法を制定する。

第2条 本方法は、下記特許出願又は案件の優先審査に適用する。
(1)実体審査段階の発明特許出願、
  
(2)実用新案及び意匠特許出願、
  
(3)発明、実用新案及び意匠特許出願の不服審判、
  
(4)発明、実用新案及び意匠特許の無効審判。
  
国家知識産権局と他の国又は地域の特許審査機関との間で締結した両国間協定又は多国間協定に基づいて優先審査を行うものは、関係規定に従って取り扱うものとし、本方法を適用しないものとする。

第3条 下記のいずれかの場合に該当する特許出願又は不服審判案件は、優先審査を請求することができる。
  
(1)省エネルギー・環境保護、次世代情報技術、バイオ、ハイエンド装置の製造、新エネルギー、新材料、新エネルギー自動車、スマート製造などの国家重点的発展産業に関する場合、
  
(2)各省級及び区を設置する市級人民政府が重点的に推奨している産業に関する場合、
  
(3)インターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの分野に関し、且つ技術又は製品の更新速度が速い場合、
  
(4)特許出願人又は不服審判請求人が既に実施の準備を整えている、発明を実施している、あるいは他人がその発明を実施しているとの証拠がある場合、
  
(5)同一の主題について、中国に第1国特許出願を行った後に他の国又は地域にも出願した中国での該第1国出願の場合、
  
(6)国家利益又は公衆利益に重大な意義を持ち、優先審査を必要とする場合。
第4条 下記のいずれかの場合に該当する無効審判案件は、優先審査を請求することができる。
  
(1)無効審判案件にかかる特許について、特許権侵害紛争が発生し、当事者が既に地方の知識産権局に処理を請求し、人民法院に訴訟を提起し、又は仲裁調停組織に仲裁調停を請求している場合、
  
(2)無効審判案件にかかる特許は国家利益又は公衆利益に重大な意義を持つ場合。
第5条 特許出願、特許不服審判案件に対して、優先審査を請求する場合、出願人全員又は不服審判請求人全員の承認を取得しなければならない。無効審判案件の優先審査を請求する場合、無効審判請求人又は特許権者全員の承認を取得しなければならない。
  
係争特許侵害紛争を処理・審理する地方の知識産権局、人民法院或いは仲裁調停組織は、無効審判案件について優先審査を請求することができる。

第6条 優先審査を行う特許出願、不服審判案件、無効審判案件の件数は、国家知識産権局が各分野の審査能力、前年度の特許登録件数及び本年度の審査待ちの特許出願件数などの状況に基づいて決定する。

第7条 優先審査を請求する特許出願又は不服審判案件は電子出願でなければならない。

第8条 出願人が発明、実用新案、意匠特許出願の優先審査を請求する場合、優先審査請求書、先行技術又は先行意匠情報材料及び関連証明書類を提出しなければならない。本方法第3条第5項に規定する場合を除き、国務院の関係部門又は省級知識産権局が推薦意見を明示した優先審査請求書を提出しなければならない。
  
当事者は不服審判、無効審判案件の優先審査を請求する場合、優先審査請求書及び関連証明書類を提出しなければならない。実体審査或いは形式審査手続きにおいて、既に優先審査されている案件を除き、国務院の関係部門又は省級知識産権局が推薦意見を明示した優先審査請求書を提出しなければならない。
  
地方の知識産権局、人民法院、仲裁調停組織は無効審判案件の優先審査を請求する場合、優先審査請求書を提出し、理由を説明しなければならない。

第9条 国家知識産権局は優先審査請求を受理・審査した後、審査意見を適時に出願人に通知しなければならない。

第10条 国家知識産権局が優先審査を認める場合、認めた日から、以下の期限までに結審しなければならない。   
(1)発明特許出願に関しては、45日内に第1回拒絶理由通知書を発行し、一年以内に結審する。
  
(2)実用新案及び意匠特許出願に関しては、2ヶ月以内に結審する。
  
(3)不服審判案件に関しては、7ヶ月以内に結審する。
  
(4)発明及び実用新案無効審判案件に関しては、5ヶ月以内に結審し、意匠特許無効審判案件に関しては、4ヶ月以内に結審する。

第11条 優先審査された特許出願について、出願人はできるだけ早く応答又は補正を行うようにしなければならない。発明特許の拒絶理由通知書に対する出願人の応答期間は通知書発行日から2ヶ月とする。実用新案及び意匠特許の拒絶理由通知書に対する出願人の応答期間は通知書発行日から15日とする。

第12条 優先審査された特許出願について、下記のいずれかの場合に該当すれば、国家知識産権局は優先審査を止め、一般の出願として扱い、適時に優先審査請求人に通知する。
  
(1)優先審査請求が認められた後、出願人は特許法実施細則第51条第1、2項により、出願書類を補正した場合、
  
(2)出願人の応答期限が本方法第11条に規定する期限を超えた場合。
  
(3)出願人が偽りの資料を提示した場合、
  
(4)審査過程において、非正常な特許出願であると発見した場合。

第13条 優先審査された不服審判又は無効審判案件について、下記のいずれかの場合に該当すれば、特許審判委員会は優先審査を止め、一般の出願として扱い、適時に優先審査請求人に通知する。
  
(1)不服審判請求人が応答期間を延長する場合、
  
(2)優先審査請求が認められた後、無効審判請求人が証拠及び理由を追加した場合、
  
(3)優先審査請求が認められた後、特許権者は削除以外の手法で特許請求の範囲を補正した場合、
  
(4)不服審判又は無効審判手続きが中止された場合、
  
(5)案件の審理がその他案件の審査結果に依存する場合、
  
(6)難解な案件であり、特許審判委員会主任から承認を受けた場合。

第14条 本方法は国家知識産権局が責任を以って解釈するものとする。

第15条 本方法は2017年8月1日から実施する。2012年8月1日から実施された「発明特許出願優先審査管理方法」は同時に廃止する。


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