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知的財産紛争の行為保全事件の審査における法律適用の若干の問題に関する最高裁判所の規定


(2018年11月26日に最高裁判所裁判委員会第1755回会議で可決。2019年1月1日から施行)
法釈〔2018〕21号
 
知的財産紛争の行為保全事件の正確な審査を図り、当事者の適法な権益を有効に保護するため、「中華人民共和国民事訴訟法」「中華人民共和国特許法」「中華人民共和国商標法」「中華人民共和国著作権法」等の法律の規定に基づき、裁判、執行活動の実際を考慮して本規定を定める。
 
第1条 本規定における知的財産紛争とは、「民事事件の事由規定」における知的財産及び競争の紛争をいう。
 
第2条 知的財産紛争の当事者が、判決、裁定又は仲裁裁定の確定前に、民事訴訟法第100条、第101条の規定に基づいて行為保全を申請した場合、裁判所は受理しなければならない。
知的財産許諾契約の被許諾者が知的財産権侵害行為の提訴前の仮差止を申し立てる場合、独占的許諾契約の被許諾者は単独で裁判所に申し立てることができ、排他的許諾契約の被許諾者は、権利者が申し立てないときに、単独で申し立てることができ、通常許諾契約の被許諾者は、権利者から自分の名義での提訴に関する明確な承認を得たときに、単独で申し立てることができる。
 
第3条 提訴前の行為保全を申請する場合、被申請者の所在地の、かかる知的財産紛争の管轄権を有する裁判所、又は、事件に関して管轄権を有する裁判所に申請しなければならない。
 
当事者が仲裁を約定した場合、前項に掲げる裁判所に行為保全を申請しなければならない。
 
第4条 裁判所に行為保全を申請する場合、申請書及びその証拠を提出しなければならない。申請書に以下の事項を明記する必要がある。
 
(1)申請者及び被申請者の身分、郵送住所、連絡先。
(2)申請する行為保全措置の内容及び期間。
(3)被申請者の行為によって、申請者の適法な権益が回復し難い損害を蒙るか、又は事件の裁決が困難になる見込みなど、損害に関する詳細な説明を含む、申請の根拠となる事実、理由。
(4)行為保全の担保提供に係る財産情報又は資本信用証明、又は担保不要の理由。
(5)その他の記載すべき事項。
 
第5条 裁判所は行為保全措置の実施を裁定する前に、申請者及び被申請者への事情聴取を行わなければならないが、緊急事態の場合、又は、事情聴取が保全措置の執行に影響し得る場合などは除く。
 
裁判所は、行為保全措置の実施又は申請却下の裁定をしたとき、申請者、被申請者に裁定書を送らなければならない。被申請者に裁定書を送ると、保全措置の実施に影響し得る場合、裁判所は保全措置の実施後に適時に、遅くとも5日以内に被申請者に裁定書を送らなければならない。
 
当事者が仲裁中に行為保全を申請する場合、仲裁機関を通じて裁判所に申請書、仲裁事件受理通知書等の関係資料を提出しなければならない。裁判所は、行為保全措置の実施又は申請却下を裁定したとき、裁定書を当事者に送るとともに、仲裁機関に通知しなければならない。
 
第6条 下記のいずれか1つに該当し、行為保全措置を直ちに実施しないと、申請者の利益が損なわれる場合、民事訴訟法第100条、第101条に掲げる「緊急事態」に該当すると認定できる。
(1)申請者の営業秘密が不法に開示される見込みの場合。
(2)申請者の公開権、プライバシー権等の人格権が侵害される見込みの場合。
(3)係争知的財産権が不法に処分される見込みの場合。
(4)申請者の知的財産権が見本市等の時効性の強い場面において侵害されているか、または侵害される見込みの場合。
(5)時効性の強い人気番組が侵害されているか、または侵害される見込みの場合。
(6)行為保全措置を直ちに実施すべきその他の場合。
 
第7条 裁判所は、行為保全申請を審査するとき、下記のことを総合的に勘案しなければならない。
(1)申請者の請求が、事実上の裏付け及び法律上の根拠を有するか。保護を求める知的財産権の効力が安定であるか。
(2)行為保全措置を実施しない場合、申請者の適法な権益が回復し難い損害を蒙るか、又は事件の裁決が困難になるなどの損害が発生するか。
(3)行為保全措置の不実施による申請者の損害が、行為保全措置の実施による被申請者の損害を超えるか。
(4)行為保全措置の実施が社会公共利益を損なうか。
(5)勘案すべきその他のこと。
 
第8条 裁判所は、申請者の保護を求める知的財産権の効力が安定であるかを審査、判断するとき、下記のことを総合的に勘案しなければならない。
(一)かかる権利のカテゴリー又は属性。
(二)かかる権利が実体審査を受けたか。
(三)かかる権利が無効審判中又は異議申立中であるか。無効になる可能性又は取消される可能性。
(四)かかる権利に帰属問題があるか。
(五)かかる権利の効力が不安定になり得るその他のこと。
 
第9条 申請者が実用新案権又は意匠権をもって行為保全を申請する場合、国務院特許行政部門による調査報告書、権利評価報告書又は特許審判委員会による当該権利の有効審決を提出しなければならない。申請者が正当な理由なく提出しない場合、裁判所はその申請を却下すると裁定しなければならない。
 
第10条 知的財産及び不正競争紛争の行為保全事件において、下記のいずれか1つの事情がある場合、民事訴訟法第101条に掲げる「回復し難い損害」に該当すると認定できる。
(1)被申請者の行為が、申請者の享受しているのれん又は公開権、プライバシー権等の人格的な権利への侵害になり、かつ取り戻しのつかない損害をもたらす見込みの場合。
(2)被申請者の行為によって、侵害行為の深刻化及び申請者の損害の顕著な増大が起こる見込みの場合。
(3)被申請者の侵害行為によって、申請者のかかる市場シェアの顕著な減少が発生する見込みの場合。
(4)申請者にその他の回復し難い損害をもたらす場合。
 
第11条 申請者は、行為保全を申請するとき、法律に照らして担保を提供しなければならない。
申請者が提供する担保額は、侵害行為の差し止めに係る製品の販売利益、保管費用等の合理的な損失を含む、行為保全措置の執行により被申請者が蒙り得る損失に相当するものでなければならない。
行為保全措置の執行中において、被申請者のこれにより蒙り得る損失が申請者の担保額を超えた場合、裁判所は申請者にその分の担保追加を求めることができる。申請者が追加しない場合、保全措置の解除または一部解除を裁定することができる。
 
第12条 裁判所が実施する行為保全措置は通常、被申請者の担保提供により解除されるものではないが、申請者が同意する場合は除く。
 
第13条 裁判所は、行為保全措置の実施を裁定したとき、申請者の請求又は事件の具体的な状況等に応じて、保全措置の期間を合理的に決定しなければならない。
知的財産権侵害行為への差し止め命令の効力は通常、事件の裁判が確定する時点まで維持しなければならない。
裁判所は申請者の請求、担保の追加等に応じて、保全措置の継続実施を裁定することができる。申請者が保全措置の継続実施を請求する場合、期間満了日の7日前までに申し立てなければならない。
 
第14条 当事者が行為保全の裁定を不服として異議申立てを行った場合、裁判所は異議申立ての受領から10日以内に審査して裁定しなければならない。
 
第15条 裁判所が行為保全を実施する方法及び措置は、執行手続きに関する規定に基づいて扱う。
 
第16条 下記のいずれか1つの事情がある場合、民事訴訟法第105条に掲げる「申請不当」に該当すると認定できる。
(1)申請者が行為保全措置の実施から30日以内に提訴又は仲裁申請を法律に照らして行わなかった場合。
(2)行為保全措置が、保護を求める知的財産権が無効になったなどの理由により最初から不当なものであった場合。
(3)被申請者の知的財産権侵害又は不正競争の差し止めを申請したが、確定した裁判では侵害又は不正競争の不成立が認定された場合。
(4)申請不当に該当するその他の場合。
 
第17条 当事者が行為保全措置の解除を申請し、裁判所が申請を受領した後、審査を経て「中華人民共和国民事訴訟法の適用に関する最高裁判所の解釈」第166条に規定する事由に適合すると判断する場合、5日以内に解除を裁定しなければならない。
 
民事訴訟法第105条に掲げる賠償責任は、申請者が行為保全申請を取り下げるか又は行為保全措置の解除を申請することによって免除されるものではない。
 
第18条 被申請者が民事訴訟法第105条の規定に基づいて提起する賠償訴訟は、申請者が提訴前の行為保全を申請した後に提訴しなかったか又は当事者が仲裁を約定した場合には、保全措置を実施した裁判所により管轄されるが、申請者が提訴した場合には、その提訴を受理した裁判所により管轄される。
 
第19条 申請者が行為保全、財産保全又は証拠保全をともに申請した場合、裁判所は法律に照らして各保全申請が条件を満足するかをそれぞれ審査して裁定しなければならない。
被申請者の財産移転、証拠隠滅等の行為により保全の目的が達成できなくなることを防ぐため、裁判所は事件の具体的な状況に応じて、各保全措置の執行順序を決めることができる。
 
第20条 申請者は、行為保全を申請するとき、行為保全措置の実施申請に関する「訴訟費用支払方法」の規定に基づいて申請費を支払わなければならない。
 
第21条 本規定は2019年1月1日から施行される。最高裁判所が以前に発表した関係司法解釈と本規定に不一致がある場合、本規定に準じる。
 
 
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